
2008 Herbst -
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
| ≪ sherlock 04 | | HOME | | sherlock 02 ≫ |
シャーロックのこと.
シャーロックは社会不適合ということになっているけれど,
私からすると,それほど不適合に思えないのは,
お話の中の登場人物として捉えているからなのかな.
シャーロックのどこが好きって,あの色の薄い眼.
あれは文句なしにぐっとくる.
色が薄いと,何か普通じゃない感じがして,どきどきする.
今回のシャーロックは理不尽に神がかったりはしていなくて,
きちんと情報を集め,脳の中で情報と情報を繋げるストーリーを組み立てる.
だから,たまに間違えたりもするし,間違えれば悔しがる.
弱みもあって,そこを指摘されれば拗ねたりもする.
プライドは高く,頭も頗るいいけれど,完璧ではない人間.
そして,多分育ちがよくて,紳士的な態度を崩さない.
その人物造形が私はとても好きだ.
シャーロックに自尊心があるのは確実として
相手の心理をどれ程理解しているのか,というのは,視ている側に委ねられた部分だろう.
少なくとも一般的な人よりは,感情を軽視していて,
だから相手の傷つくだろうことを平気で言ってしまったりする.
傷つくということがどういうことなのか,理解できていないんだろう.
ワトスンは,彼がそういう人であるということを受け入れてくれた数少ない一人だ.
多分,ワトスンに出会う前は,受け入れられないことに不満はなかっただろう.
けれど,彼が手放しで称賛を送るので,
その居心地がとてもよくなってしまったんだろう.
受け入れられることの喜びが,守るものを増やすことになって,
結局弱みを作ることになってしまうとしても.
彼らは二人とも,とてもまっすぐな人たちなのだ.
そして,このドラマは,二人の関係が徐々に出来上がっていき,
シャーロックが大切なものを得ていく過程を描いた物語でもある.
(というか,私にとってはそれが主題である.)
シーズン1のepisode 1,study in pinkでは
スーツケースが部屋にあるのに驚くジョンに対して,
自分は殺してないよ,と言う.
疑ってない,と言われると,どうして?そう考えるのが普通だろ?と答える.
それが,シーズン2のepisode 3 になると,
君が世間に詐欺師だって思われるのが嫌なんだ,とジョンが言うと
君は僕が詐欺師なんじゃないかと不安なんだろう?と食って掛かる.
そして,彼の心を確かめる.
ジョンのことを信じてしまい,ジョンにも信じてほしいと思っている.
ジョンの信頼を失うことを,恐れている.
今のところシーズン2まで放映されていて,その最後で,モリアーティと対決する.
彼は,3人の友人(ワトスン,ハドソンさん,レストレード)を人質にとられて,
ビルの屋上から飛び降りる.
飛び降りる直前にモリアーティは自殺し,
モリアーティから狙撃中止の命令を出す選択肢がなくなったことで,
飛び降りざるを得なくなる,
そしてその直前にジョンに電話をし,泣きながらお別れを言う.
ここで,いくつかの疑問がある.
モリアーティとの駆け引きについてはモリアーティの項で別に扱うとして.
結局,この駆け引きはシャーロックの勝ちだ.(まぁ主人公だしね.)
彼はこの事態を予め予想して,自殺偽装を準備する.
だから,ここから落ちても自分は死なないということはわかっているのだ.
にも関わらず,何故涙するのか.
しかも,自分は偽物で,全部今までの推理も自作自演だったなどと言う.
ドラマの流れに沿って視ていると,一瞬死んだのかと思えるので,
死ぬ間際のお別れと見えるのだけれど,でも実は違う.
本人から,自作自演だと言われても,ジョンは信じない.
だって君は初めて会った時,あんなに素晴らしい推理を聞かせてくれたじゃないか.
そんなことは誰にもできない.
君にはできた.
これを聞いたときに,シャーロックが思わず嬉しそうに笑う,
その表情が切なくてぐっとくる.というのは置いておいて.
シャーロックは,人間関係を円滑に進める為の嘘をつかないし,
調査のための偽りは躊躇いなく行うけれど,
大事な人には嘘はつかない.(言わないことは沢山あるけれど.)
これは,ジョンを相手についた,一世一代の嘘だ.
多分電話したのは,
自殺偽装の為に,ジョンをあの場所にとどめておく必要があったからなんだろう.
そして,狙撃手を欺くためには,ジョンにも自分が死んだと思ってもらわなくてはならない.
ジョンは世間を欺き続けられる程,演技しながら生活を送るのに向いていないから.
涙は,本当に,お別れの涙だったのではないか,と思う.
自分は生き続けるとしても,ジョンにはもう二度と会えないかもしれない.
(モリアーティの手下からの狙撃の恐れが消えるまでは会えない.)
ジョン相手に嘘をつくとき,
どうやって嘘をついていいのかわからなかったのではないだろうか.
何か話をしたくて,さようなら,だけでは短すぎて,でも本当のことは言えない.
だから,あんな無理のある話になってしまったのではないか.
| ≪ sherlock 04 | | HOME | | sherlock 02 ≫ |