
2008 Herbst -
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かなしい夢を見た
こちらに来てから,Tの夢をよく見る気がする.
今日の夢は,万能人間のようなものになるためか,なんらかの科学的理由で,
他の人間と体をひとつにされていて,
その中で目を覚ましていられるのはひとりだけ.
他の人は眠っていなくちゃならない.
そういう身体にされていた.
一度眠ってしまうと,起きていたころの記憶はなくなってしまうらしい.
今日は,デートしに行った.
何をしても,すぐに完全に忘れられてしまうことがわかっている二人の絶望的なデート.
ここでこうしていることも,忘れてしまうんでしょう?
あの手紙があなたが家に帰ってから届きますように.
なにか分厚い手紙を書いてくれたらしくて,楽しみで心がはずんだりする.
結局のところ,あの人からもらいたかったのは,言葉で,
見える世界を共有したかったんだなあ,
なんて,当たり前のこと.
彼の夢を見るのが,
単純に,私が留学をしているからでありますように.
彼が元気がないとか,そういうことではありませんように.
…というか,目覚めている私はほとんど確信しているのだけど.
これは単純に私の側の問題だけで,
彼から何かが送られている訳ではないということ.
私にはもう,彼の今はほとんど無関係なのだから.
その恋が終わった後,事故にあって車庫に入ったまま.
という表現.
夢を見るということが,
車庫から出る試みでありますように.
よく眠れないでいる.身体が疲労している.
二宮和也の表情が,ありようが,素敵に見える.
その時々に自分の中で流行るものがあるけれど,それが今は二宮和也なんだろう.
本気で懸命に生きている,という,少なくとも雰囲気が,とても魅力的に見える.
結局は,一見セクシーな顔形などよりも,眼の奥に潜むものに,ずっと引き込まれる人間なんだろう.
HDDのアダプタが壊れたのをなんとかせねばならない.
今日はオーストリアは祝日だったらしい.
知らなかったので,何も買いだめをしておかなかった.
明日は日曜日だし,食べるものがあまりないけれど,
ダイエットにいいと前向きに考えるようにしよう.
一緒にいたい人が,会いに来てくれるまでに,
もしかしたら喜んでくれるように,少しやせておきたいな.
さっきの投稿を見てみたら,前からひと月以上も経っていて驚き.
その間に,したこと.
家を決めて,引越をして,部屋を移動して,
学生証をやっとやっと手に入れて,銀行口座をつくって,
研究室内での席が変わって,
授業にいくつか出てみて,無理だと判断して諦めて,
ドイツ語の学校を決めて,授業に参加し始めて,
自転車を購入して,電車の半額チケットを購入して,定期券を購入して,
こちらで知合った人と食事をしたりして,
研究室の同僚のホームパーティーに参加して,
テントプロジェクトに参加して,少し解析とかして,
自分の研究用に,イスラーの文献を読んで,
スイスに夜行列車で行って,ドミトリーユースに2泊泊って,夜行列車で帰ってきた.
教授に進路相談をした.
うまいこと話した方がいいとアドバイスをしてもらったけれど,
そんな器用なやり方は私流ではなくて,
結局洗いざらいオープンに話すしかできなかった.
でも,それが一番いいのだとやっぱり思う.
自分を自分以上に大きく見せる必要はないんじゃないだろうか.
疲れてくると,とにかく安定が欲しくなって,
現状で一番抵抗の少ない方向を選んでしまいそうになる.
今で言えば,ここに留まって少なくとも何年か学生として研究をしてみるということ.
とにかくお金さえ払っていれば,学生の身分は保証されるのだろうから.
もう家も見つけたし,携帯電話も持っている.滞在証明の準備もできている.荷物も送ってもらった.
それが一番,楽な道なんだろうけれど,
でも,何かがわだかまっていて,うまく心を決められない.
色々なことの「普通」がわからないから,
みんなが言う,大丈夫,が,どの程度の大丈夫なのか,掴めない.
例えば授業についてでも,7月にAは大丈夫だと言っていたけれど,本当はちっとも大丈夫じゃない.
可能性として,大丈夫になる可能性はもちろんあるけれど,
それは,0ではない,という程度のもので,
それに対して払う対価はどうなのか,ということは,全然言及されていない.
オフィシャルなことなら,無難なことなら,誰だって言える.
外国人にだって,社会人にだって,門戸を開こうという姿勢を,示すのは建前だろう.
例えば日本なら,外国人のサポートに日本人の学生が雇われていたけれど,そういう努力は一切ない.
結局は個人主義で,各自の問題だから,何を言うのだって無責任だ.
そういう点で,Hは,多少極端ではあるけれど,オープンな人だと思う.
多分それは,彼がここに来て苦労したからなんだろうと思う.
なんというか,よい人脈が開拓,保存される方向は,残しておきたいものだと思う.
何をしても生きていくことはできるかもしれないけれど,
可能性は広がる方向にしておいた方がいい.
これがひと月.
あんまり何をしたのかわからなくて,少し焦ったりもしている.
ここは星がすごくよく見える.
夢を見る.
眠ってもあまり疲れが取れない.
なんのストレスなのか,おなかがすいていないのにものを食べる傾向がある.
早く帰るようにしてみる.
昔,たくさんの人の日記を読んでいたことがあった.
いつの間にか,直接に会ったことのない人の日記はあまり読まなくなって,
いつしか,知合いの日記もあまり読まなくなった.
何をそんなに知りたかった訳でもなくて,
ただ,いろんな人が生きているということを感じたくて,
まわりに受け入れられているようで受け入れられていないような自分が
ひとりじゃないんだと感じたかった.
後になってわかったことは,
受け入れられるという状態自体が,私の想像していた完全なものじゃないんだということ.
人はみなひとりきりで生きている,ということは
ただ言葉通りのシンプルな事実で,何も悲壮的なことじゃなかった.
人はただ生きて死んでいく,その中で,
何をするのも,何をしないのも,試してみるのは自由で,
そして,何かを成し遂げたり,成し遂げなかったりするのも,
あとからどう思うかだけのことだ.
そんな風に思ってみると,どんどん何でも平板に見えてきたりするから,
大人になって落ち着くっていうのはそういうことなんだろうけれど,
それでも,試してみることのできる足幅が大きくなってもいるから,
最初は大きすぎる海に,やっぱり足掻いたりもする.
どんな方向にあがくかが,いつだって問題なわけで,
適度にミーハーでオープンでありながら,
段々と思慮深くなっていきたいと思う.
そして,何よりも大切なのは,多分,私にとっては,
嘘やごまかしがないことなんだと思う.
自分の中のすべてが一体になって,振舞うことができるようでありたい.
それほど多くのものを持ってきている訳ではないのに,
既に,ベルリンで買ったマフラーと下着一式とワックスを失くした.
別に,ひどく落胆したりはしないけれど,嫌な感じはするものだ.
私が来るまで,入学手続きは滞ったままだし,教授もいなくなることが判明するし,
言うまで,なんの環境も整う雰囲気がないし,
何をするにもひどく抵抗が大きい.
というか,事務手続きをするスタッフがいないのだろう.
彼らはよく話し,そしてすぐに家に帰る.
午前中に,交換留学生のオリエンテーションに出てみたが,
彼らが当たり前のように学生証や手続き書類を受け取っているのを見て,少し凹む.
私はここにいてはいけないのだろうか.
部屋や研究室でネットにつなげないのが痛い.
研究室でもらった場所は,図書室で,研究をするのに悪くはないのだが,
なんだか孤立している感じがするのと,本の入った棚の雰囲気に,少し圧倒される.
なんというか,姥捨て山のような感じがするのだ.
でも,結局どこかから始めなければならないし,どこからだって始められるとも言える.
明日は花を飾ろうか.
悲観的になったり,心配をしてみたところで,何も始まらない.
どこで何をしたって,死んだりはしないのだ.
そこで,どういう手を打つか.
部屋をそろそろ決めねばならない.
どの程度部屋というものに力点を置くかを考えねばなるまい.